栗原市栗駒地区岩ケ崎にある、鶴丸城と城下町を散策するツアーを開催しました。
参加者は15名様、殆どの方が仙台とその周辺からお越しになりました。ガイドは地元岩ケ崎の出身で歴史に詳しい、栗原案内人の千葉龍也さん。
鶴丸城は岩ケ崎地区の背後にある60m程の山の上にある城跡で、東西650m、南北400mと規模の大きな山城で、今は街並みを眺める館山公園になっています。江戸時代初期には伊達政宗の重臣、茂庭綱元を後見として5男の宗綱、6男の宗信が居館ましたが早くに亡くなり途絶えてしまいますが、のちに中村家が代々治めて伊達家を支えていました。
ツアーでは鶴丸城だけでなく、城下町の散策では武家屋敷を支えた生活用水に使われた用水路「上堰」についても取り上げられました。岩ケ崎の城下町を知るには水路が重要とのことです。
集合場所の「山の駅くりこま」を出発して栗駒小学校へ向かいます。ここには鶴丸舘があったところで、中村家が代々居住していたところです。栗駒小学校を過ぎると鶴丸城のあった山が迫ってきますが、途中で小さな用水路を渡ります。これが「上堰」と呼ばれ、城下の生活用水として使われた用水路で、舘山寺の近くから水を取り込み城下町へ水を送っていました。
ここからは山の上を目指して頑張って登ります。まずは竪堀(たてぼり)を見ることが出来ます。上から下に縦に掘られた空堀で、ここを通る攻め手は通れる場所が限られることから、防御する側は攻めやすくなります。続いて堀切(ほりきり)です。これは台地や尾根を切ったV字になった堀で、万一の際には守りやすい構造になっています。その後、二の丸へ上がり、ここからは眼下に栗駒地区の街並みを見下ろすことが出来ました。続いて本丸からも遠くを見ることができます。鶴丸城の向かい側に山並みが続いていますが、南北朝時代はこの場所が大和朝廷の北の最前線でした。
鶴丸城を後にして、上小路を歩きながら代々の藩主、中村家の菩提寺である舘山寺へ。さらに5番丁を通って武家屋敷だったところを散策します。この通りには蔵がありますが、歴史を感じさせる雰囲気の通りでした。途中に御仮屋があった場所を通りましたが、ここは藩主の宿泊に使われたところです。
昼食を挟んで地元の方が開設した資料館へ。元郵便局がだったところですが、古地図を見ながら実際に歩いて見てきた「上堰」や生活用水がこの地区にどのように流れていたのか、どうやって使われていたのかを聞くことが出来、地元の方にしか知らないような興味深いお話でした。最後に馬場通り(7月1日~8月20日まで馬市が開かれた通り)を通り、馬場通り近くに流れる水路と馬市の関りを聞きながら、「山の駅くりこま」へゴールとなりました。
当日は気温が上がり暑い中でのツアーでしたが、ガイドの千葉さんのわかりやすく興味深い話に、参加された方は楽しんで頂けたようです。
当日歩いたルートは下記のリンクからご覧いただけます。 ※データ提供 開発管理技術研究所
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